どうも~いけ花です。
今回もエレベーターのリニューアル工事について話します。
リニューアル工事とは
エレベーターの経年劣化により、メンテナンスだけでは維持が難しくなったエレベーターを新しくする事を言います。
リニューアル工事にも種類があり大きく分けると
・全撤去リニューアル
・準撤去(部分撤去)リニューアル
・制御リニューアル
計3種類があります。
全撤去リニューアルとは
文字通り全ての部品を交換します。
準撤去リニューアルとは
制御系と他の部分的な交換をします。
(カゴ内のパネルや扉など)
制御リニューアルとは
制御盤や操作パネルなどの制御系の所だけを交換します。
自分のいた会社では主に制御リニューアルの仕事を請け負っていました。
だいたい作業人数は3~4人で作業して、
機械室が1or2人、昇降炉が2人で作業します。
機械室の主な仕事が
・制御盤の取り替え、配線
・モーターの取り替え、配線
・その他の部品の取り付け、配線
・制御盤での書き込み調整
昇降炉の主な仕事が
・カゴ周りの配線、取り替え
・ピットの部品取り替え
・昇降炉全体の部品の取り付け、配線
・制御盤での書き込み調整時のチェック
基本大変なのは昇降炉の仕事で感覚で覚える事が多いのと取り付ける部品が多いです。
だから新人は最初は基本、機械室の作業からになります。
リニューアル工事の仕事の流れ5日工程と過程して説明すると
工事計画書と事前調査した現場の写真をみる。(1週間前くらい)
↓
養生シートを引く(1日目)
↓
機材搬入(1日目)
↓
事前段取り(1日目)
↓
部品撤去してエレベーター止める。(2日目)
↓
制御系取り付け後、エレベーター復帰する。(2,3日目)
↓
残りの部品を取り付けていく。(3日目)
↓
制御盤にて書き込み作業(調整)(3,4日目)
↓
動作チェック(4日目)
↓
検査(5日目)
↓
廃材撤去(5日目)
↓
清掃(5日目)
↓
完了
上記が基本の流れですね。
詳しく説明していくと
工事計画書と事前調査した現場の写真をみるとは
施工する何日か前に、営業所の方に工事計画書と写真が届きそれを見て用意する物を決めたり、図面を見たりして事前に作業現場の事をある程度把握しておく事です。
特に写真を見るのが大事でそれを見て持って行く道具を決めたり、「自分の中で事前にこれがいるかも?」と考えたりします。
養生シートを引くとは
エレベーターの乗り場周りや、物を仮置きする場所、個人宅みたいな所やホテルなどは、階段や通る場所全てにシートを引きます。
特にリニューアル工事は長期間止めるのでしっかり引きます。
機材搬入とは
リニューアル工事はとにかく物が多いので搬入するにも結構大掛かりな作業になります。
基本は施工する建物の前に車を止めて荷下ろしをして、仮置き場所を一旦外に作って置いていくか、そのまま建物内に持っていきます。
狭い道路の所だと早く車をどかさないと迷惑になりますからね。
一番大変なのは100キロ以上ある制御盤を屋上の機械室まで持っていく作業です。
物も大きいので狭い階段や階数が多いと特に苦労して結構しんどいです。
この会社では、準撤去リニューアルの場合は搬入業者を手配するのでその時はかなり楽です!
制御リニューアルだけの時は全部自分達で搬入します。
事前段取りとは
エレベーターのリニューアル工事は、初日がだいたい事前作業と言ってエレベーターが動く状態で、先に新しい制御系のハーネスや部品を付けたりします。
何故最初からエレベーターを止めないかと言うと、初日に現場を実際の目で見て、2日目に足りない道具などを持って来た時にエレベーターが動かないと、階段で持って行くのがしんどいからです。
でも工期が短い場合の時は初日に止めます。
部品撤去してエレベーター止めるとは
制御盤や制御系のケーブル、モーターなどを撤去して新しいのに替えます。
撤去したその日はエレベーターが使えなくなるので全て階段移動です。
この作業は基本2日目になります。
制御系取り付け後、エレベーター復帰するとは
制御盤やモーターなどの制御系を全て繋いでエレベーターを復帰させてとりあえず動くかどうかだけチェックしたり、規定の電圧があるかを計りチェックします。
この作業は2日目の終わりか、3日目の朝くらいになります。
他の部品、取り付けていくとは
エレベーターが乗り場に止まるための部品を各階に付けていったり、エレベーターが動いた時にケーブルなどが引っ掛かりがないかなどをチェックします。
この作業もだいたい3日目にやります。
制御盤にて書き込み作業(調整)とは
実際にエレベーターが動いた時に乗り場に停止して段差がない状態をを制御盤に記憶させたり、カゴ内(エレベーター内)で過重制限がかかった時にブザーがなるようにします。
その他、電圧チェックなど色々な項目があります。
この作業はだいたい3,4日目にやります。
動作チェックとは
全ての作業が終わった後の動作チェックの事ですね。
後、停電時に自動で運転がかかるかとか、閉じ込めに合わないか、地震が起こった時に感知するかもこの時チェックします。
この作業もだいたい4日目にやります。
検査とは
親会社の検査員が実際に動作チェックなどをしに来て確認をし、ダメな所などを指摘された場合は直します。
OKなら作業完了です。
この作業は5日目になります。
廃材撤去とは
交換した古い部品を廃材業者に引き渡す事です。
この作業も5日目にやります。
清掃とは
作業が終わり廃材も撤去した後に、各階の乗り場やエレベーター内の掃除をします。
この作業も5日目にやります
上記が基本的なリニューアル工事の5日工程の場合の流れになります。
耐震対策工事や巻き上げ機自体を替えたり、取り付ける部品が増える場合は工期も長くなります。